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午前8時25分。 スタートを告げるチャイムの音と同時に、恒例の800メートル走が始まる。玄関の扉が勢いよく開かれ、猛然とダッシュをかける。
第1コーナーを交わして、第2コーナーへ突入。そこを抜けると、600メートルのメインストレートが待っている。誰もいない静かな道を、僕はただ一人、慌ただしく駆け抜ける。ただ走る。ひたすら走る。電車が僕をあざ笑うかのように通り過ぎていく。
勝負はいよいよ大詰め。僕は再び体にムチを打ってスパートをかける。「急げー」 顔見知りの大人たちが声を張り上げている。
キーンコーン……、 やばい。いや、まだ間に合う。……カーンコーン。戦いの終わりを告げるチャイムの音が鳴り響く。しかし、まだ余韻が残っている。戦いはまだ終わってはいない。
正門前、僕はカールルイスになってスピードを上げる。玄関前、僕はねずみになって大人たちの間をすり抜ける。
8時30分、僕は建物の中にいた。朝日がまぶしかった。
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